James Clear(ジェームズ・クリアー)の著書、『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』の要約とBook Reviewをしていきます。本書は、その名の通り「小さな習慣の積み重ねが大きな成果を生む」というシンプルな習慣法の自己啓発書です。
小さな変化というのは、まるで原子(アトミック)が結びついて分子を作り出すように、最小の習慣が集まり、それが次第に私たちの人生に変化をもたらします。このような変化は最初はほとんど目に見えません。まさにアトミック(原子的)な変化、小さなものが、少しづつ成果を生み出す過程が、この本の核心です。
Atomic(アトミック)原子的という言葉には、2つの側面があります。ひとつは「ごく小さなもの」という意味。原子は物質を構成する最小単位であり、それ以上分割できない、最小の構成要素。もうひとつは、「膨大なエネルギーや力の源」という側面です。小さな原子が結びつくことで、私たちが知るあらゆる物質を形作り、エネルギーを生み出すことができます。このことが、最小習慣(アトミックハビッツ)の意味になります。
次に、Habits(ハビッツ)習慣とは何でしょう。習慣は、日常の中で無意識に行っている、状況に対する反応や行いです。これもまた小さな行動の積み重ねです。毎日同じ時間に起きる、決まった時間に食事をとる、決まった方法で仕事を進める。このような行動は、最初は意識的にやっていたとしても、やがて無意識のうちに習慣化され、私たちの生活を作っていきます。
何を始めても中途半端なってしまうというなら、その原因は、「その習慣の仕組みに問題」があります。多くの人が習慣を変えようとして挫折する理由は、最初から大きな目標や結果を求めすぎるためです。さらに、自分のマインドやセルフイメージを変えるのではなく、「習慣になる仕組み」を完成させれば解決できます。
Contents
1.『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』の概要

- ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣
- 著者: ジェームズ・クリアー
- 発売日: 2019/10/12
- 出版社: パンローリング株式会社
- 価格: 1,650円
本書のテーマと目的
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』は、日々の小さな行動がどのようにして長期的な成功や成長に繋がるのかを解説した一冊です。著者ジェームズ・クリアーは、自身の体験や多くの研究結果をもとに、習慣が人間の生活や成果にどれほどの影響を与えるかを明らかにしています。毎日1%の改善・変化をしていくと、1年後には大きな結果を生んでいます。すごく小さな毎日わずか1%ずつ良くなるだけでも、進歩を遂げられます。
さらに本書では、良い習慣を作っていくだけでなく、悪い習慣を手放すための具体的なフレームワークも提供しています。人によっては、良い習慣を身に付けるより、悪い習慣を断ち切った方が結果を得られることがあります。
「小さな習慣」の力とは何か
「小さな習慣」は、私たちの生活の中で気づかないほど小さい行動の積み重ねを意味しています。一見すると些細な行動に思えますが、これがやがて大きな成果をもたらしていることに、多くの人は気付いていません。大きな結果を生み出したいと思っていても、逆転を狙ったり、奇をてらった戦略を立てたりしますが、それは効果がありません。そうではなくて、自身の小さな習慣から変えていくべきです。
この力を引き出すためには、目に見える成果が出なくても、小さな行動を続けることです。ジェームズ・クリアーはこれを「潜伏期間」(潜在能力のプラトー(停滞期間))と表現しています。この期間中は成果が感じられないため、多くの人が途中で挫折しがちです。しかし、複利の力は一定の期間を過ぎないと成果を生み出しません。この現象を分かっておくことで、どれだけ小さな行動でも続ける価値があることを実感できるはずです。
習慣の複利効果とは?
複利は一般的に、金融などのファイナンス用語になっていて、どのように資産が増えていくのかに用いられます。本書の習慣の複利効果は、日々の小さな行動が時間の経過とともに指数関数的に影響していく現象を指します。金融の世界でお金が複利計算で増えていくのと同じように、良い習慣・悪い習慣も続けることで驚くほどの成果や良くない結果になります。
たとえば、健康のための10分間の運動を日々積み重ねるだけでも、体力の向上だけでなく、精神的なストレスの軽減や集中力の向上といった副次的な効果も得られるようになります。
一方で、悪い習慣も同じように複利の法則に従います。たとえば、毎晩の寝る前のスマホ操作が翌朝の疲労感を生んだり、それが結果的に、次の日に目覚めが悪くなり、集中力の低下や生産性の減少へと繋がっていく、悪循環を引き起こします。このように、良い習慣と悪い習慣のどっちもが複利効果をもたらすため、どちらを選ぶかが私たちにとって大きな影響を与えていきます。本書は悪い習慣を断ち切り、良い習慣を選び続けることで、この複利効果を最大限に活用する方法を示唆しています。
2.なぜ習慣が人生を変えるのか?

習慣という無意識の行動は、私たちの日頃行う活動の約40%を占めています。このため、習慣を変えることは、人生の大半を変えることに直結しています。小さな日々の行動や思考が長期的な変化をもたらすことに注目すれば、人生を改善していく可能性も広がります。本書では、習慣が個々のアイデンティティと密接に結びつき、結果的に人生全体をも形成していくメカニズムが解説されています。
小さな変化が後の成果を生む理由
日常の小さな行動が、どのようにしてその後成果へと繋がっていくのか。この問いに対して、ジェームズ・クリアーは「1%の改善」というシンプルな考え方を提示しています。これは、どんなに小さな行動でも、積み重ねることで指数関数的な成長が得られるというものです。たとえば、毎日1%ずつ良くなる行動を1年間続ければ、累計で37倍もの成長が可能になっていきます。
小さな変化が大きな成果を生む理由は、心理的および科学的要因に基づいています。まず、人間の脳は大きな変化を受け入れるのが苦手であるため、小さな行動を繰り返すことで少しづつその変化を受け入れる準備をしていきます。このプロセスによって、新しい行動が少しづつ「習慣」として脳に定着し、やがて無意識のうちに実行できるようになります。
また、小さな変化というのは大きな変化に比べて、心理的な負担が少ないため、継続しやすいというメリットがあります。たとえば、いきなり1時間の運動を始めるというのは難しく、挫折する可能性も高まります。それよりも、1日5分のストレッチを続ける方が現実的であり、結果的に継続率も高まります。このような小さな行動が成果を生む背景には、習慣の累積効果が働いています。
習慣形成とアイデンティティの関係
習慣形成において、私たちが気を付けておくべきは、「アイデンティティの形成」との関連性です。私たちの行動は、単なる結果を得られたり失敗したというだけでなく、自分「自身がどのような人間でありたいか」という信念と結びついています。この考え方は「アイデンティティベースの習慣形成」になっており、従来の「目標ベースの習慣形成」との違うアプローチになります。
従来のアプローチだと、「いまの体重よりも10キロ減らす」「年収を500万円から1億円に増やす」といった具体的な目標設定が重視されますが、この方法では目標達成後に行動が途切れるリスクが高くなります。一方で、アイデンティティベースのアプローチでは、「私は健康的な生活を送る人間である」「私は資産を作るために努力を惜しまない人間である」という信念(アイデンティティ)を基盤に行動を重視します。
このように、自分のアイデンティティと習慣を結びつけることで、行動が目標といった結果だけに依存しないので、自然に継続されるようになります。
たとえば、禁煙を成功させる人と失敗する人の違いは、アイデンティティの捉え方にあります。成功する人は「私はタバコを吸わない人間だ」と自分を定義しますが、失敗する人は「禁煙しようとしている」と考えます。この違いが、行動を支えるモチベーションと持続性に影響します。
さらに、アイデンティティと習慣を結びつけるプロセスは、繰り返す必要があります。何かをやっただけでは、自身のセルフイメージは変わりません。望んだ結果を出すための行動を繰り返すたびに、脳はその行動を「自分らしい」と認識するようになります。
成果志向ではなく、システム志向へ
従来の目標達成アプローチは、「成果」に焦点を当てがちです。「いま働いている企業で昇進する」といった具体的なゴールを設定し、その達成をもって成功と見なします。しかし、著者が指摘するように、この方法には欠陥があります。目標そのものは達成されれば一時的に満足感を与えますが、それ以降に続く行動の動機付けが失われてしまうことです。
一方で「システム志向」は、ゴールそのものではなく、そのプロセスや仕組みに注目するアプローチです。「毎日健康的な食事をとる」「週に3回ジムに通う」といった行動に意識を向けることが、長期的な成果を生んでくれます。これにより、成果が出るかどうかに一喜一憂することなく、行動やプロセスそのものを楽しむようになります。
さらに、システム志向は自身の成長を早めてくれる効果もあります。成果志向では「志望校に合格する」という一時的な目標に囚われがちです。しかし、システム志向では「毎日勉強を続ける」という仕組みを重視しているので、その合格後も学び続けることが自然な選択となります。このような継続的な行動が、やがて差を生んでいきます。
システム志向のもう一つのメリットは、失敗を受け入れやすいところにあります。目標に固執するあまり、失敗を「ゴールに届かなかった自分」として捉えてしまうと、モチベーションが下がりやすくなります。一方、システム志向では、失敗も「プロセスの一部」として捉えられるため、むしろそれが改善のヒントになります。この姿勢は、行動を継続する上で有効です。
3.人が習慣を形成する4つのシンプルプロセス

その習慣が良いにしろ悪いにしろ、人が新しい習慣を形成するには、シンプルなプロセス根拠に基づいています。この根拠の核心は、「きっかけ」「欲求」「行動」「報酬」という4つの段階に分かれています。このサイクルを理解し、それぞれの要素を意識的に最適化することで、望んだ習慣を形成しやすくなります。ここでは、それぞれの4つのプロセス「きっかけ」「欲求」「反応」「報酬」について解説していきます。
プロセス1: きっかけ(脳に行動を起こさせる)
「きっかけ」とは、習慣の起点(トリガー)となる刺激や信号のことです。私たちの行動の多くは、環境や状況からの刺激に反応して行われます。そのため、望ましい行動を始めるには、意識的にきっかけを設計してあげる必要があります。
たとえば、健康的な生活を目指してランニングを習慣化したい場合、ランニングシューズを目に見える場所に置くことが有効です。この視覚的な「きっかけ」が脳に信号を送り、行動を開始するモチベーションを生み出します。同様に、仕事の集中力を高めたい場合、デスクの上を整理整頓し、必要なツールだけを置くことで、集中する「きっかけ」を与えることができます。
きっかけを効果的に活用するためのポイントは、シンプルで明確な信号(トリガー)を設定することです。他にも、特定の時間帯や場所を決めてしまうことです。「毎朝7時にストレッチをする」「仕事の後にジムに行く」など、時間や場所をトリガーとして設定することで、行動がルーティンとして組み込まれます。
プロセス2: 欲求(習慣の原動力)
「欲求」は、習慣のエネルギー源であり、行動を起こすための内なる動機(モチベーション)です。きっかけが行動を始める合図だとしたら、欲求はその扉を通り抜けるための推進力です。この欲求の本質は本当に正しいものなのか、巧みに使うことで、習慣形成がうまくいくのか決まっていきます。
欲求を高めるには、行動の目的を明確にし、それが自分の価値観や目標と一致していることを認識することが重要です。運動を習慣化したい場合、「若々しい健康的な体を手に入れる」「仕事で溜まったストレスを解消する」といった具体的な目標を考えることで、運動への欲求は高まっていきます。このように、行動が自分にとってどれだけ価値があるかを明確にすることが、欲求を引き出しになります。
それと、欲求を強くするもう一つの方法は、行動を「魅力的にする」ことです。たとえば、読書を習慣化したい場合、お気に入りのカフェに行ったり、飲み物を用意するなどして読書の時間を良い気分の体験と組み合わせることで、欲求を高めていきます。
欲求というのは、短期的な快楽に結びつきやすいため、長期的な目標を見据えた行動を持続させるには、モチベーションを継続的に刺激する環境設計を組み込んでいきます。欲求を自分の味方につけることで、習慣形成のプロセスがスムーズになり、成果が期待しやすくなります。
プロセス3: 反応(実際の習慣。思考や行動の形)
「反応」は、きっかけや欲求に対する具体的な行動のことを指します。これは習慣形成の核となる部分であり、実際の行動に移すプロセスがスムーズであればあるほど、習慣は定着しやすくなります。反応を自分のものにするには、「そのための行動のハードルを下げること」が重要になってきます。
誰しも難しく遠回りなことはしたくありません。それより、なるべくエネルギー効率が良いものを追い求めます。そのため、どんなに良い意図があっても、そのための行動がめんどうであれば実行しない可能性が高くなります。たとえば、運動を始める際に準備が複雑だったり、時間がかかりすぎたりすると、その行動を取るハードルが上がっていきます。このような状況を避けるために、行動を「簡単にするための」工夫が求められます。
また、「反応」には、行動そのものだけでなく、思考の形も含まれます。物事を達成していく人は「やらなければならない」という考え方を「自分のやりたいこと」「自分にとってどうしても達成すべきこと」といったポジティブなフレームに置き換えています。このような思考の転換は、行動を持続可能なものにする要素です。
プロセス4: 反応(報酬)
「報酬」は、行動の結果として得られるポジティブな体験や感覚のことです。報酬というポジティブな感情は脳内の報酬回路を刺激して、次からの行動を強くする働きを持っています。このプロセスが効果的に機能することで、行動は習慣として根付いていきます。
人間の脳は、長期的な利益よりも短期的な快感に強く反応するため、行動の結果がすぐにポジティブに感じられるような仕組みを取り入れることが効果的です。たとえば、運動をした後に好きな音楽を聴く時間を組み込んでいれば、運動そのものが「気持ちの良い体験」として脳に記憶されます。
また、報酬は必ずしも外的なものだけではありません。「達成感」や「自己効力感」といった内的な報酬もポジティブな影響があります。毎日の読書を習慣にしたい場合、1章を読み終えるごとに「今日も目標を達成した」という感覚を味わうことが、行動を持続させるモチベーションになります。
4.良い習慣の身に付け方
人が習慣を形成するためのプロセスが分かったところで、次に良い習慣の身に付け方をまとめていきます。良い習慣には、効果的な戦略と行動を意識的に組み合わせていきます。本書では「良い習慣を形成する4つの法則」というポイントがあります。
まず、「はっきりさせる」ことが基本となります。目標を曖昧にするのではなく、「いつ」「どこで」「何をするか」を決め、実行する意図を明確にします。次に「魅力的にする」です。新しい習慣が続かない原因の多くは、それが楽しく感じられないためです。三つ目は「 易しくする」ことです。難しい行動は心理的なハードルを上げるため、まずは2分以内で終わる行動に縮小します。最後に「満足できるものにする」ステップです。
以下の表は、良い習慣を身に着けたときの「1年間、毎日1%良くなる場合の1.01の365乗の計算過程」のまとめです。
| 日数 | 成長率 (1.01のn乗) | 成長率の結果 |
|---|---|---|
| 1 | 1.011 | 1.01 |
| 30 | 1.0130 | 1.34935 |
| 60 | 1.0160 | 1.8194 |
| 90 | 1.0190 | 2.45957 |
| 180 | 1.01180 | 6.02257 |
| 365 | 1.01365 | 37.78 |
第1の法則: はっきりさせる
良い習慣形成の第一歩は、行動を明確化することです。「行動が明確であればあるほど、実行に移しやすくなるのが簡単」になります。具体的に何を、いつ、どこで行うのかを明確にすることで、習慣形成の成功率を高められます。
習慣得点表を付ける(習慣を書き出し、得点化する)
習慣得点表は、現在の生活における習慣を視覚化するためのツールになります。これは現在の日々の行動を書き出し、それが良い(ポジティブ)習慣、悪い(ネガティブ)習慣、中立的な習慣のどれに該当するかを評価していきます。このプロセスにより、無意識のうちに繰り返している行動パターンを客観的に見ることができ、その習慣が改善の余地があるのか視覚化できます。
あなたの朝のルーティンを振り返って「起床後にすぐにスマホをチェックする」「歯を磨く」「すぐにテレビを見る」といった行動をリスト化し、それぞれにポジティブ(+)、ネガティブ(-)、中立(=)の得点をつけます。この評価によって、自分の行動がどれだけ目標に沿った行動をしているのか確認できます。
この得点表を作ることで、まず改善すべき習慣が明確になります。そして、ポジティブな行動は続けて、ネガティブな行動を減らすための計画を立てる足掛かりになります。この自己分析は、行動を「はっきりさせる」というもので、習慣を意識的にコントロールする一歩になります。
実行意図を使う(いつ、どこで、何をするか)
実行意図は、「具体的な行動計画」を事前に決めることで、行動の実行率を高めていきます。私たちは、漠然とした曖昧な目標よりも具体的に決められた計画に従うほうがはるかに動きやすいため、実行意図を使うことで、習慣を効果的に定着させることができます。これが決まっていないと、毎回「いつ、どこで、何を」というのを決めなくてはならず、無駄な思考をしてしまいます。
たとえば、「毎日運動をする」という漠然とした目標ではなく、「毎朝7時に、リビングルームで10分間ストレッチをする」という具体的な形に変えるだけで、行動の実行率が上がります。このように、「いつ」「どこで」「何をするか」を決めることで、習慣形成のハードルを下げることができます。
さらに、実行意図を使えば、行動をトリガーと結びつけることもできます。「朝起きたらすぐにベッドの横でストレッチをする」と設定することで、起床という自然な行動をトリガーに新しい習慣を結びつけていきます。この方法は、行動を忘れにくくし、習慣の一貫性も高められます。このように具体性が増すほど、行動は自動化され、より簡単に望む結果を得られやすくなります。
習慣の積み上げ(現在の習慣後、新しい習慣をする)
習慣の積み上げは、既存の習慣に新しい習慣をつなげる方法です。この戦略は、既に根付いている行動を使うので、新しい習慣を定着させるために効果的です。たとえば、「朝起きたらコーヒーを淹れる」という習慣がある場合、その後に「目覚めの1分間ストレッチをする」という新しい習慣を加えるとします。このように「既存の習慣 + 新しい習慣」という流れを作ることで、新しい行動を実行に移しやすくします。この方法のポイントは、日常生活の中で既に存在する自然なリズムを使うことです。
このプロセスには、新しい習慣を小さなステップで始まることです。「運動を習慣化したい」という場合なら、「歯を磨いた後にスクワットを1回する」といった簡単な行動から始めていきます。このように習慣の積み上げを少しづつ進めていき、行動のスケールを大きします。
環境作り(良い習慣のきっかけを、はっきり見えるように)
環境作りは、習慣形成において重要な要素になります。環境が人の行動に与える影響は絶大で、適切な環境を整えることで良い習慣を自然と実行しやすくなります。この方法には、良い習慣のトリガー(きっかけ)を「見える」「手に届く」場所に置くことにあります。
たとえば、美容のために「毎朝ビタミンを摂取する」という習慣を身に付けるには、ビタミンCのボトルをテーブルの上や洗面所のカウンターなど、目につきやすい場所に置くことで、行動のきっかけを作り出せます。他にも環境作りの例として、運動を習慣化するためにランニングシューズを玄関の見える場所に置く方法があります。このシューズが、「運動しよう」というトリガーになり、行動への心理的抵抗を減らします。
さらに、環境作りは「なりたい自分」を明確にイメージする一助にも使えます。デスク上に目標を書いたメモやモチベーションを高める写真を置けば、自分の行動を理想の目標に結びつけられます。頭で考えるよりも、環境を意識的に整えることで、習慣形成のプロセスを大きく加速させることが可能です。
第2の法則: 魅力的にする
習慣を長続きさせるには、その行動自体を「魅力的」にすることが欠かせません。人は「魅力的で興味を引く行動」に引き寄せられます。第2の法則は、習慣形成をしていくなかで、心理的なハードルを下げ、行動するのが楽しくなるための方法になります。
誘惑の抱き合わせ(したい行動と、しなければならない行動をセットに)
誘惑の抱き合わせは、望ましい行動(しなければならない行動)を楽しみな行動(したい行動)と組み合わせて、行動の魅力を高める戦略です。この方法を使うことで、義務感や退屈感が薄れ、新しい習慣がポジティブな感情と結びつきます。
たとえば、「運動をする」という義務感を感じやすい行動に、「お気に入りの音楽を聴く」という楽しい感情を組み合わせることで、運動自体が楽しみな体験に変わります。同様に、「家計簿をつける」という退屈なタスクに、「好きなラジオを流す」ということをプラスすることで、継続しやすい習慣へと変化します。
この方法には、脳が「楽しいこと」を報酬として認識する仕組みにあります。行動とポジティブな感情を結びつけ、新しい習慣が自然になり、長続きできるようになります。
望ましい行動が日常の行動文化に
私たちは、自分が属している環境や文化に大きな影響を受けています。そのため、望ましい行動を「文化」に取り込むことで、習慣を定着させる上で効果的です。職場で「瘦せるための週1回の健康食の日」というのを設定し、同僚と一緒に健康的な食事をする文化を作ります。これにより、「健康的な食事をする」という行動が個人の義務ではなく、集団の共通習慣として取り入れられます。あるいは、家族で「毎晩10分間の読書タイム」を決めれば、読書の習慣を家族全体の文化にさせることもできます。
さらに、SNSを使って自分の進捗を共有することも有効です。フォロワーと健康目標や運動記録を共有すれば、自分の行動が他者からも認識され、さらなる動機付けになります。このようにして、望ましい行動が個人的な努力だけでなく、周囲との結びつけるツールになり、自然と継続できるようになります。
モチベーションを高める儀式(難しい習慣の直前に楽しいこと)
モチベーションを高める儀式は、取り組むのが難しいと感じている習慣の前に、小さな楽しみを取り入れ、行動の始まりを心理的に簡単にするテクニックです。これにより、難しいタスクや嫌いな習慣も、ポジティブな体験として受け入れやすくなります。
たとえば、「自重筋トレをする前にお気に入りの音楽を1曲聴く」というように、自分にとって楽しみな行動を習慣の始まりに組み込むことで、行動の心理的ハードルが下がります。あるいは、「苦手なExcel資料作成を始める前に、お気に入りのコーヒーを一杯飲む」といった工夫も有効です。この儀式がトリガーとなり、習慣化したい行動をスムーズにスタートできます。
この戦略では、脳が「楽しいこと」と「難しいこと」を結びつけ、難しい行動への抵抗感を減らし、自然とポジティブな感情を引き出す効果になります。また、この儀式がトリガーとしての「行動開始の合図」として機能するため、一度定着すれば行動の自動化が進みます。
第3の法則: 易しくする
良い習慣を作っていくには、その行動を「いかに簡単に始められるか」にかかっています。「行動のハードルを下げる」ことで、無意識にでも行動しやすくなります。たとえば、ジムに通うという習慣を作りたい場合、前夜に運動着を準備し、目立つ場所に置いておくことで準備の手間を省けます。また、「2分ルール」を使い、新しい習慣を2分以内でできるように小さな行動に分解することも効果的です。
初めはほんの少しの習慣から始めて、「自分ならできる」という成功体験を積み重ねていきます。さらに、環境を整えて誘惑を排除し、行動を自動化できる仕組みを取り入れることで、習慣化がさらにスムーズになります。
抵抗となるものを減らす(習慣に辿り着くステップを減らす)
良い習慣に必要なステップを減らすことで、心理的なハードルを下げ、行動を始めるまでの抵抗感を減らしていきます。私たちは、複雑なプロセスやめんどうな準備が必要な行動を避ける傾向にあるため、習慣をシンプルにすることが必要です。
さらに、デジタル環境を使って抵抗を減らせます。ビジネス書を読むことを習慣化したいなら、電子書籍アプリをスマートフォンのホーム画面に置くことで、アクセスが簡単になり、行動の一貫性を高めることができます。
環境の準備(未来の行動をとりやすい環境)
行動を簡単にするために、未来の自分がスムーズにその行動を取れるように環境を整えることが必要です。環境設計は、無意識に行動を誘導する強力なツールであり、新しい習慣を形成するには効果的です。
この未来の行動を容易にする環境は、物理的な空間だけでなく、デジタル環境にも適用できます。プログラミングの学習習慣を確立したいなら、パソコンのデスクトップにプログラミングオンラインコースのリンクを設定しておくだけでも効果的です。このような「環境のプログラミング」は、よけいな選択肢や決断を排除でき、行動を自然と促進します。
このような環境の準備は行動の「自動化」を目指せます。新しい習慣を始めるための心理的・物理的な障壁がなくなり、行動を取るのがとうぜんになる環境が整います。環境は行動を形作る見過ごされがちな要因であり、この要素を意識的に仕組みに入れることが、習慣形成の直結します。
決定の瞬間をマスターする(大きな影響をもたらす小さな選択の最大化)
日常生活における小さな選択が、長期的に見たときに大きな結果を生むという事実を見過ごせません。たとえば、ソファに座ってテレビのリモコンを手に取るか、それとも運動用のシューズを履くかという選択が、その後の数時間の過ごし方を根本的に変えていきます。
この瞬間の選択をマスターするためには、意識的に「良い選択」を導く仕組みを作ることが必要です。自分が最もよく直面する選択肢を把握し、それに対してポジティブな行動を選びやすくするためのトリガーを用意します。ヘルシーな食生活をしたい場合には、冷蔵庫にアイスクリームやスナック菓子ではなく、新鮮な果物を見える場所に置くといった工夫をします。決定の瞬間を正しく管理すしていれば、習慣だけでなく、日常の満足感にも直結します。
2分間ルールを使う(習慣を2分以内でできるものに縮小)
新しい習慣を定着させるには、最初の一歩をいかに小さく、そして簡単にするかにかかっています。ここで活用すべきなのが「2分間ルール」です。このルールは、どんなに大きな目標でも、2分以内で実行可能な最小単位に分解していきます。たとえば、「金融ファイナンスの本を1冊読む」という目標を「1ページだけ読む」という行動に縮小します。
なぜ2分間が効果的なのかというと、最初の一歩さえ踏み出せば、その流れで次の行動を取りやすくなるためです。ジョギングを始めたいなら、まず「ランニングシューズを履く」という行動から始めます。シューズを履いた時点で、外に出て走る可能性が高まります。
習慣の自動化(未来の行動のために、テクノロジーや自己投資)
良い習慣を持続させるためには、「習慣の自動化」を目指すことになります。自動化とは、自分で意識的な努力を最小限に抑えつつ、継続的に行動を維持する仕組みを作ることを指します。この過程では、テクノロジーや自己投資をすることで解決できます。
節約をしたいと思ったら、銀行の自動貯金(自動積立定期預金・定額自動振替サービス)を利用する方法があります。この設定により、給料が振り込まれるたびに自動的に一定額が貯蓄口座に移されるため、自分で毎回意識して貯金する必要がなくなります。健康維持のためにフィットネストラッカーを使えば、毎日の運動量やカロリー消費を記録してくれて、行動をモニタリングできます。
また、未来の行動を容易にするための自己投資も、自動化の一環として考えるべきです。たとえば、ジムの年間会員権を購入すれば、「行かなければ損をする」という心理が働き、行動を促すことができます。このように仕組み化をすることで、習慣の維持がより自然なプロセスとなり、長期的な続けていけます。
第4の法則: 満足できるものにする
習慣を確立し、それを持続させるためには、「満足感」を伴う体験であることが必要です。脳は、即時の快感に対して反応します。したがって、行動の結果が短期的にもポジティブに感じられる仕組みを作り、習慣化が高まっていきます。
強化を利用する(習慣を完了したら、自分に報酬を与える)
新しい習慣を始めようと思ったら、「報酬」を決めることも有効です。報酬は、行動に対して脳が「満足」を感じるスイッチを入れてくれるためです。運動したら好きなスムージーを飲む、読書をしたらノンフィクションの映画を観るといったシンプルな報酬でも効果的です。この報酬が習慣と結びつくことで、行動が「したい」と感じていきます。
さらに、報酬を目に見える形にすることも有効です。貯金するという習慣をつける場合、毎月貯金額をグラフにして進捗を可視化していく方法です。この達成感を味わうたびに、次回もその行動を続けたくなる心理が強くなります。
ポイントは、報酬を行動直後に決めることです。脳は「即時報酬」に強く反応しやすい性質があるため、先延ばしにするより、今すぐ得られる小さな喜びを見つけることが嬉しいからです。こうして習慣と報酬を組み込むことで、良い習慣が「負担」ではなく「楽しみ」に変わり、持続できるようになります。
「何もしない」ことを楽しく(悪い習慣を避けるときに、利益を見えるように)
悪い習慣を避けるためには、「何もしない」こと自体に価値を感じられる仕組みを作ることが効果的です。無駄遣いを減らすために何も買わない日を作り、その日ごとに貯金額を記録し、「節約できた金額」を実感するなどです。これにより、「消費を避ける行動」がポジティブな体験として脳に認識されていきます。
また、「何もしない」ことで得られる利益を視覚化していきます。喫煙をやめることで節約できたお金や、健康面での改善をグラフや数字で示すと、行動を避けることがどれほどの価値を持つかを客観的に分析できます。悪い習慣を避けるには、それに代わる「楽しい行動」を見つけます。たとえば、夜更かしを避けるために、就寝前にリラックスできる読書やストレッチを取り入れると、夜更かしによる短期的な快感を超える習慣作りです。
習慣トラッカーを使う(習慣の連続を記録し、習慣の鎖を断ち切らない)
習慣トラッカーは、カレンダーや専用アプリなどを使って、達成した日をチェックマークや色で示すシンプルな方法です。たとえば、毎日10分の読書を目標とした場合、読書が完了するたびにチェックを付けていきます。この鎖が続くほど達成感が増していき、その鎖を切りたくないという心理が働くため、次の日も行動を続けたくなります。
さらにこの方法の魅力は、自己評価としての側面にもなります。もしある日習慣を実行できなかった場合に、記録を見ることで原因を追究し、改善策を生むきっかけが作れます。「忙しいときは夜に時間が取れない」という気付きが得られたなら、朝のルーチンに組み込むことで改善するなどです。この「目に見える成功」の積み重ねは自己肯定感を高め、長期的な行動変化を支えてくれます。
2回さぼらない(習慣をするのを忘れたら、すぐに戻す)
どれだけ良い習慣を身に着けようと思っても、人は完璧ではありません。誰でも時には習慣を忘れてしまったり、なんとなくやる気が出ない日があります。そんなときには、「2回続けてさぼらない」というルールを用います。たとえ1日失敗しても、次の日にすぐに行動を戻すことで、習慣の破綻を防ぐことができます。
1日さぼること自体は問題ではありません。しかし、そのまま状況を放置すると、失敗のスパイラルに陥っていきます。1回の運動を休むと、「今日は忙しいから」「明日から頑張ればいい」という思考になり、結果として元の習慣に戻るのが難しくなっていきます。なので、「2回さぼらない」というルールを心に刻むことで、1回の失敗を大きな後退に変えることを防げます。
5.悪い習慣の断ち方
良い習慣以上に気を付けたい、恐ろしいのは何気なく行動している「悪い習慣」です。悪い習慣を断ち切ることは、良い習慣を身に付ける以上に効果を発揮します。まず簡単なのは、悪い習慣になるトリガーを「見えないようにする」ことです。これは、習慣の起点である「きっかけ」を取り除くことで、無意識のうちに行動してしまうことを防ぐ方法です。このアプローチは、習慣が無意識に行われている場合に有効です。
悪いことを習慣化してしまうと、それをやめるのはとても難しくなっていきます。まずは、悪い習慣がどのような状況で始まるのかを理解していきましょう。それを突き止めることで、環境を整えて自動的に避けられるようになります。
以下は「1年間、毎日1%悪くなる場合」を表現したまとめです。0.99の365乗の計算過程を示しています。
| 日数 | 減少率 (0.99のn乗) | 減少率の結果 |
|---|---|---|
| 1 | 0.991 | 0.99 |
| 30 | 0.9930 | 0.7397 |
| 60 | 0.9960 | 0.547 |
| 90 | 0.9990 | 0.407 |
| 180 | 0.99180 | 0.0507 |
| 365 | 0.99365 | 0.03 |
第1の法則: 見えないようにする
悪い習慣を断ち切る第1の法則は、「見えないようにする」ことです。これが悪い習慣を断ち切るための基本的でありながら効果的な方法です。悪い習慣が繰り返されるのは、その習慣が「触れやすく、目につきやすい」環境に存在していることにあります。食べ過ぎが悪習慣であれば、目の前にお菓子を置かないようにするだけで、食べ過ぎることを防ぐことができます。
悪い習慣を断つために、まずはその習慣が引き起こされるきっかけやトリガーとなる環境を見つけ、それを遠ざけることから始めます。スマートフォンの通知音でついSNSをチェックしてしまうなら、通知をオフにすることや、スマートフォンを見えない場所に置きます。また、テレビやパソコンで無駄に時間を過ごすなら、それらのデバイスを使用しない時間帯を作り、誘惑を遠ざけます。
避ける(悪い習慣のきっかけを環境から取り除く)
ある習慣が「場所」や「時間帯」に結びついている場合、その場所や時間帯を変えることで悪い習慣を避けることができます。夕食後にどうしてもお菓子を食べたくなるのであれば、食後に別の活動で忙しくさせるなどです。たとえば、散歩に出かける、読書をする、あるいは家事をすることで、悪習慣を実行する前に別の行動を取ることができます。
「悪い習慣のきっかけ」を意識的に避けることで、その習慣を無意識に行わないようにすることが可能になります。環境を意図的にデザインすることで、悪習慣を断ち切る効率的な方法になります。
第2の法則: つまらなくする
悪い習慣を断ち切る「第2の法則」は、その習慣を「つまらなくする」というアプローチです。この法則は、悪い習慣が繰り返される、「楽しさ」や「満足感」があるからです。夜遅くまでスマートフォンを触ってしまう、ジャンクフードを食べ過ぎてしまう、といった習慣は、その瞬間で楽しさや快感を得ることが多いため、それが習慣化になります。悪い習慣を断ち切るには、この習慣が「つまらない」と感じるようにすることが有効です。
考え方を変える(悪い習慣を避けることで得られる利益の強調)
まずは、悪い習慣を避けることで得られる利益に焦点を当てることです。夜遅くまでスマートフォンを触っていると、翌朝の眠気やだるさなど、悪影響を感じますが、その悪影響を具体的に認識することで、「つまらなくする」効果が高まります。実際には、悪習慣を避けることで、心身の健康を改善したり、翌日のパフォーマンス向上など、長期的に得られる利益が多いことを認識します。
この考え方を変えるプロセスは、悪い習慣がどれほど短期的な快楽に過ぎないのか、その行動がもたらす長期的なデメリットについて考えることにあります。利益を強調するには、悪い習慣を避けることで得られるポジティブな結果を明確にイメージします。毎日ジョギングをすることで得られる体力、体重の維持、心の安定など、長期的な成果に目を向けることで、その場の満足感よりも、充実した生活を得るための動機づけになります。
悪い習慣がもたらす「楽しさ」や「快楽」のデメリットに目を向け、その代わりに得られる利益や成長を強調すれば、習慣の改善は進んでいきます。この「考え方を変える」方法を取り入れることで、悪習慣をつまらないものに変えるだけでなく、より良い習慣へとシフトしていくことができます。
第3の法則: 難しくする
悪い習慣を断ち切る「第3の法則」は、その習慣を「難しくする」します。この目的は、悪い習慣を繰り返しやすくする手軽さや習慣化のしやすさを反転させ、その習慣の障害を意図的に増やします。脳は、できるだけ手間をかけずに行動したいと考えるため、悪い習慣が容易に繰り返されていきます。しかし、習慣が難しくなれば、行動を選ぶ時に自然と躊躇し、結果的に悪い習慣を避けるようになります。
悪い習慣を行うたびに、「これをしてしまうのは面倒だな、なんとなく嫌だな」と感じるような状況を意図的に作ることで、悪い習慣が続くのを防ぐことができます。
抵抗となるものを増やす(悪い習慣に辿り着くステップを増やす)
悪い習慣を断ち切るための実践的な方法の一つは、「抵抗となるものを増やす」ことです。悪い習慣を行おうとしたとき、その習慣に辿り着くためのステップや手間を増やすことで、実行しにくくします。たとえば、ジャンクフードを食べ過ぎる習慣がある場合、自宅に食べ物を置かない、外出時に簡単に手に入らないようにする、冷蔵庫を開けるのに一手間かけるなどの工夫で、その行動が「面倒だな」と感じるようになります。これにより、習慣化の意識がなくても、無意識的にその行動を避けられます。
また、悪い習慣をやろうとする行動に対して、「障害」を設けることも効果的です。例えば、スマートフォンの使用時間が長くなりがちな場合、特定の時間にアプリのアクセス制限をかける、または別のデバイスに情報を移すなど、手間を増やすことで、無意識にその行動をするのを防ぎます。悪い習慣を実行するためのステップを増やし、その行動をしにくくすることで、習慣の実行が難しくなり、その結果、習慣を断ち切ることができます。
この方法は、悪い習慣が簡単に実行できない状況を作り出すことができるため、習慣を「難しくする」ためには非常に有効な手段です。自分が抱えている悪い習慣に対して、その実行をわずらわしいものにすることで、自然にその習慣を避けるようになります。
排水の陣(未来の選択が自分に役立つものになるよな制限)
「排水の陣」は、未来の選択が自分にとって有益なものになるように制限をかける戦略です。悪い習慣を避けるために、未来の自分に対して、良い選択を強制的にする手法です。たとえば、良い習慣を取り入れるために「悪い習慣を実行できない状況」をあらかじめ作り出すことを意味します。具体的には、無駄な買い物をしないために財布の中に余分な現金を入れない、無駄にスマートフォンを使わないために、アプリの制限をかけるといった手法です。これによって、未来の自分が有益な選択をするように仕向けることができます。
排水の陣は、予防的な制限を通じて、悪い習慣を予防し、良い習慣へアプローチする手段です。未来における選択肢が、望ましい行動に自動的に導かれるように仕向けることで、悪い習慣を続ける選択肢を物理的に制限をしていきます。
第4の法則: 満足できないものにする
「第4の法則」では、悪い習慣に対して「満足できない」状況を作り出します。この法則の目的は、悪習慣を実行することで得られる満足感を減らし、実行したくない気持ちを引き起こします。悪い習慣を続けていると、快感や安心感を感じることがありますが、その満足感を取り消すことで、悪習慣を断ち切っていきます。
悪い習慣を継続することが「満足できない」と感じさせるために、以下の方法を積極的に使っていきましょう。これにより、習慣を断ち切るための動機づけになります。
アカウンタビリティー・パートナーを持つ(誰かに行動を見張ってもらう)
アカウンタビリティー・パートナーは、自分の行動をチェックし、監視してくれる人のことです。私たちは、誰かが自分の行動を見ているという意識を持つことで、無意識に「見られている」というプレッシャー(他人の目)を感じ、悪い習慣を行うのを避けることができます。
家でだらだらしてしまう人でも、外の図書館やカフェで仕事や勉強が捗るのは、人がいることによって「誰かに見られている」という心理が働くためです。
また、アカウンタビリティー・パートナーは、進捗を共有することもできます。この進捗を確認し合うことで、習慣の改善を続けるモチベーションが維持され、悪い習慣を断ち切る力が増します。誰かに見守られているという意識が、自分の行動に責任を持たせ、良い習慣の形成をしやすくなります。
習慣契約書を作る(悪い習慣をしたら、人に知らせて苦痛を感じるように)
習慣契約書は、悪い習慣をやめるために自分自身と契約を結び、具体的な行動とその結果について記入したものです。契約書に署名することで、自分の意思を強くし、その後の行動に対する責任感を高めていきます。
さらに、この方法では、悪い習慣をした場合に他者に知らせることで「社会的な苦痛」を感じるようにします。悪い習慣を続けてしまったら、罰金を払う、あるいは自分が嫌いなことをする、という契約にすることで、抑制するモチベーションが生まれます。
6.自分に合った習慣を継続させるためのコツ
私たちは、それぞれ異なる個性を持っているため、自分に合った方法で習慣を設計し、持続させることが必要です。この章では、効果的な習慣形成に向けた具体的な戦略と、遺伝的な要因や性格がどのように影響を与えるかについて解説します。
成功には自分の競争分野を見つける
自分が得たい成功や結果を手に入れるには、自分が自然にパフォーマンスを発揮しやすい分野を見つけることが近道です。競争分野は、強みや興味、そして遺伝的特性が調和する領域を指します。この分野を見つけることで、無理なく習慣を続けられるようになります。
どれだけ自分が望んだ成果が欲しくても適していない分野だと、成果は出にくいもの。健康になりたい人が全員ランニングや筋トレを楽しめるわけではありません。ある人にとっては水泳が楽しく感じられるし、別の人にはヨガが合っているかもしれません。ポイントは、「楽しい」と感じる分野を見つけることです。楽しいと感じることは、脳内のドーパミン分泌を促進し、習慣の持続に影響します。
遺伝(性格)が習慣に与える影響
あまり受け入れがたい真実ですが、遺伝は、私たちの性格、エネルギーレベル、好奇心、さらには運動能力など、多くの要素に影響を与えています。自分の特徴を理解し、活用することで、自分に適した習慣形成しやすくなります。外向的な人であれは、他者との交流を伴う(グループエクササイズ、チームスポーツなど)を好む傾向がるし、内向的な人は、一人で集中できる活動(読書、ヨガ、個別のトレーニング)に魅力を感じることが多くなります。
また、遺伝は「得意な分野」にも影響します。成果を手に入れるには「努力」だけではなく、自分が生まれつき持っている特性を活かすことが必要になります。どちらが良い・悪いということでなく、それぞれのメリット・デメリットを活かすことで、成果を手に入れやすくなります。
自分に有利なゲームの見つけ方
自分にとって適した競争分野、つまり「自分に有利なゲーム」を見つけるには、「他の人より高い評価を得られる分野」を見つけることです。これは、他者との比較の中で見えてくる強みです。学校や職場で周囲よりも短時間で成果を出せるような分野なら、あなたの才能が生きる舞台かもしれません。なぜならその分野では、成果が他の人よりも現れやすいからです。
それと「自分にとって自然なこと」を考えてみるのも有効です。努力しなくてもスムーズにできることや、自分にとってふつうに思えるスキルや習慣は、他の人にとっては困難であったりします。このような「自然さ」は、遺伝や個性によるものであることが多いため、自分に合った分野での競争優位性を持つことができます。
自分に有利なゲームを見つけるためには、これらの要素を分析し、自分の特性と調和する分野を選ぶことです。このプロセスを通じて、無理なく続けられる習慣を磨き、成果を複利的に積み重ねていくと成果を期待できます。
7.ゴルディロックスの原理

ゴルディロックスの原理は、難しすぎず簡単すぎない「ちょうどいい難しさ」の課題に取り組むことで、成長とモチベーションを引き出す心理です。この適切なバランスは、自分の能力を少しだけ上回るレベルの必要があります。簡単すぎれば退屈を感じるし、難しすぎれば挫折するため、「少し背伸びすれば達成できる!」というラインを設定します。
フルマラソンを完走するという目標があった場合に、運動ゼロの状態でランニングを始める人は、まず5キロを完走することを目標にするのは、この原理に基づいています。いきなり、フルマラソンを完走しようとすれば、途中で嫌になります。少しずつ挑戦をすれば、スキルが伸び続け、最終的に難易度の高い目標(フルマラソン)も達成できるようになります。「ちょうどいい難しさ」を見つけるには、現在の能力とその先にある小さな目標を設定していきます。
成功を脅かすのは、失敗ではなく「退屈」
私たちにとって、成功を脅かすのは「失敗」ではなく「退屈」です。習慣を続けていくには、最初の頃は新鮮さやモチベーションに支えられて取り組めますが、やがてその新鮮さは薄れ、退屈さがやってきます。この退屈という感情が、習慣を継続する敵になります。
退屈になってしまう理由は、進歩が見えにくくなることにあります。最初の頃は、成果が目に見えやすいため、モチベーションを維持できます。しかし、時間が経つにつれて進歩の速度が遅くなり、結果を感じにくくなると人は興味を失っていきます。こういった状況では、目の前の小さな成果に注目し、それを喜ぶ心を持つことです。
習慣化のプロセスにおいて、退屈を感じることは避けられません。しかし、それを前提として受け入れ、自分なりの楽しみや目標を見つけることで、これらのの壁を乗り越えることができます。「ちょうどいい難しさ」を追求しつつ、退屈に打ち勝つ工夫をすることで、習慣は一時的なものではなく、持続的なものへと発展していきます。
プロはスケジュールを守る。アマチュアは生活に邪魔される
目標とする結果を出す人と途中で挫折する人というのは、スキルや才能だけの差ではありません。その根本的な違いは、「スケジュールを守る力」にあります。プロフェッショナルは、どんな状況でも自分の計画を守り、感情や生活に惑わされることなく行動します。一方で成果が出ない人の特徴のアマチュアは、突発的な出来事だったり気分の浮き沈みに左右され、計画が崩れてしまうことが多くなります。
この違いを克服するには、「やるべきことを感情に左右されずに実行する」という姿勢です。スケジュールを単なる予定ではなく「約束」として認識し、それを守るためのルールを徹底したり環境を見直します。
プロフェッショナルは、優れている才能を持つ人のことではありません。むしろ、スケジュールを守るという基本的な行動を一貫して実践する人のことです。生活に邪魔されないよう計画を守り続けること。そして、その姿勢が積み重なることで、「プロフェッショナル」へと変わっていきます。
8.『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』を読んだ感想
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』読了
小さな1%の改善が1年後には37倍に📈
✔️良い習慣は「簡単・魅力的・満足・明確」に
❌悪い習慣は「難しく・つまらなく・目立たなく・不満足」に
習慣は人生? #複利で伸びる1つの習慣 pic.twitter.com/3ndOciPs38— ユウキ・F・デービス (@yuukifdavis) December 21, 2024
習慣は単なる行動の積み重ねではなく、自分のアイデンティティ・セルフイメージそのものと結びついていきます。どれだけ大きな夢や目標を持っていたとしても、行動が変わらない限り実現することはありません。反対に、自分が望んでいない結果になってしまうのは、日常の習慣によって自分のセルフイメージが合致してしまうからです。
これから「〇〇をする人になる」という考え方は、夢や目標を考えるよりも効果があります。「運動をする」のではなく、「運動する人になる」と考えるだけで、物事の捉え方が変わっていきます。ただモチベーションを煽るのではなく、「行動を始めるハードルを低くする」や「環境を整える」といったシンプルなアプローチをしていくことで、「続けられる自信」に変わっていきます。
本書何よりも大切にしたいのは、良い習慣よりも悪い習慣を断ち切る方が、私たちにとって影響があります。何かを始めようと思っても悪い習慣があったら、アクセルを踏みつつブレーキをかけている状態なので、前に進んでいきません。むしろ故障することもあります。それならば、前進するためにブレーキとなる習慣を取り除くとスムーズに前に進めます。それはつまり、理想とする自分に近づくための武器になっていきます。
9.まとめ: 1つの小さな習慣が人生を作る
日々の小さな行動や習慣が、どれほど大きな影響を与えているのか『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』は、このシンプルな法則をまとめた一冊です。本書を通じて、人生を変えていくのは、大きな決断や派手な努力ではなく、「小さな習慣を積み重ねること」にあるということです。
投資における複利が少しずつ利益を積み上げて資産を生んでいくように、小さな行動も継続していくことで、成果をもたらします。1日に1%の改善するだけでも、1年後には37倍の成長に繋がるというのは、ただの計算ではなく、現実のアイデンティティに影響します。アイデンティティを軸に習慣を考えていくと、逆算的に「何をするか」ではなく「どんな人間でありたいか」を考え、その答えに基づいて習慣を選ぶことで、継続しやすくなります。
派手なスタートを切らなくても、日々の行動が未来を作っていきます。この本が教えてくれるのは、「目に見えない小さな一歩が、やがて大きな人生を作る」という本質的なものです。どれほどの目標であっても、その実現には小さな習慣から始めることです。苦しいことではなく、自分に合った形で続けられるものです。

『日本の経済安全保障』の要約: 高市早苗が語る“日本危機”を守る黄金律とその全貌
正直、これまで習慣を変えることは難しいと思い込んでいました。でも、「小さな変化でも意味がある」と教えてもらえたことで、自分にもできるかもしれないと思えました。自分を少しずつアップデートしていきます。
素敵なコメントありがとうございます😊✨ 小さな変化が積み重なれば、やがて大きな成果につながります🌱🌟
アップデートしていきましょう📈🎯🔥😊
習慣がどれほど影響を与えるか「1%の改善」が積み重なるという考え方が良いですね。今まで変化ばかり求めて続かなかったけれど、小さな一歩を大切にしていこうと思います。
✨コメントありがとうございます!😊その通りです。1%の小さな改善が積み重なれば、やがて大きな変化につながります🌱💪。毎日の小さな一歩を大切に、コツコツ積み上げていきましょう!📚🚀✨🔥