しかまる(福田 卓馬)さんの著書、「文章で金持ちになる教科書」の要約とBook Reviewをしていきます。著者のしかまるさんは、会社員時代にブログを運営し収益化に成功、その後独立起業し、現在はSEOやコンサルティングサービス、WEB集客のスキルを指揮する会社経営などをされています。
本書の文章で金持ちになる教科書は、一見すると文章の書き方に特化したライティング本に思えますがそうではなく、「文章=ブログ(WordPress)」で稼ぐ教科書という方がしっくりきます。WordPressを使って収益を得る方法を、ゴール(売る)から逆算をしてターゲット選定や市場調査、攻略するキーワード選定などサイトを作る設計図のようにまとめられています。
ただ単純にWordPressで収益を上げる方法というよりは、「自分でスキルを身に着けて自動で収益を発生させる仕組みを作る」そのために、ブログで得られるスキルと自動で稼ぐ仕組みを両立していきます。
これからブログを始めようと思っている人にとって、どのようなジャンルでブログを作っていけばいいのか、なぜYMYLというジャンルは避けるべきか、自分が勝てるフィールドはどこなのか、現在会社員であればブログという媒体を作って収益を上げ、その後独立するまでの流れが把握できます。人によってはやや面倒くさいと感じる箇所もあるかもしれませんが、多くの人がやらないことで差別化を図ることが可能になります。
本気で文章(ブログ)で稼ぎたい人にとっては、ブログを開設する前に読んでおきたい一冊です。
Contents
1.文章で金持ちになる教科書の概要
文章で金持ちになる教科書
しかまる(福田 卓馬)
EXTAGE株式会社代表取締役
KADOKAWA
2022年11月発売
46判・264頁
(本体1600円+税)
2.ブログのゴール(報酬)を決める
人によってブログを作る目的は様々です。
ヨガが趣味の人の場合は、日々のヨガの記録を付けるでしょうし、主婦の方であれば覚えたい料理のメモや毎日の日記として活用するかもしれません。ですが、文章で金持ちになる教科書では「収益を上げる(報酬)」を得ることを目的としています。なのでブログを作る際は「どのくらいの収益を目指すのか?」を最初に決めなければなりません。
収益を上げるとは、「何を売るのかを最初に決める」ということです。
収益を上げるブログを作ると決めた人にとって、売る商品は決まっているのが、あたりまえのように感じますが、これを決めていない人が意外と多いのです。なぜこれが重要になってくるのかというと、売る商品によって収益とサイトの規模が大幅に変わってしまうためです。
例えば、ブログでの収益20万円を目標にした場合、500円の商品を売るのであれば400個売らなければなりません。これが5000円の商品であれば40個で済みます。目標は同じ20万円だとしても、簡単に到達できるのは後者で、前者はより沢山のアクセスと成約率が必要になってきます。(個人でブログを展開していく場合は、より少数のアクセスで大きな成約率を上げていくのが望ましいです。)
もしあなたが店舗を持っている経営者ならば、ブログを通して自分のお店に来て、商品(サービス)を買ってもらうもらうことがゴールになるでしょう。
このように予め売る商品さえ決まっていれば、自分のブログをどのように設計していけばいいのか、判断がつきやすくなります。自分で商品を作って売るのか、アフィリエイトで商品を販売していくかによっても、戦略は違ってくるはずです。
3.一年かけて「月1万円」を稼ぐブログを作る
文章で金持ちになる教科書で特徴的なのは、一年かけて「月1万円」を稼ぐブログを作るという点です。これを読んでいるあなたが、ブログを開設したのが1月1日ならば、来年の1月1日に月1万円の収益となるブログを目指すようにします。(多くの場合はこれより早く達成すると思いますが。)これからブログで収益を上げていこうという決意を持っている人にとって、このペースというのはやや遅く思えるでしょう。
もちろん、方法よってはこの何倍も早く結果を出すことは可能です。
ですが文章で金持ちになる教科書では、あくまで時間をかけて成長していくことを重視しています。なぜ一年をかけて月1万円を稼ぐブログを目指すのかというと、ブログを始めた当初は記事を書いても検索順位が安定しないためです。検索エンジン(Google)があなたのブログを適切な順位で表示してくれません。
これはブログ自体が、認知や評価されていないためです。
そのためGoogleから評価や一定のアクセスを集めるには、それなりの期間が必要になってきます。文章で金持ちになる教科書では、個人ブログで50記事あれば月1万円に到達でき、それでも収益できないときは、記事の書き方に問題があったり、適切なキーワードを選定できなかったりとブログの設計図に問題があるとなります。
記事を一本書き上げるのに1週間かかる場合は、50記事書き上げるのに約一年かかります。ブログにかけられる時間やリソースは人によって様々ですが、一年後に月1万円のブログを作るとあれば、途中で焦ったりする気持ちもなく、ブログ運営を継続できるはずです。
4.小アクセスで稼ぐのが個人ブログの戦略
ブログを運営していくうえで、アクセス数というのは切り離せない問題です。
アクセス数が多いに越したことはないですし、多ければそれだけ人気という証明にもなります。ただし、あなたが個人でブログを開設するのであれば、こういった莫大なアクセスを集めるサイトを目指すべきではありません。巨大で人気のあるサイトを作ろうと思ったら、何年もかかるうえに思うような収益が上がらない可能性があるためです。そうではなく、個人ブログで稼ぎたいのであれば、「少ないアクセスでも収益が出る」サイトを作るべきです。
ゴールである報酬も単価がある程度高い商品で、少ない成約数でも目標が達成できるような選択をするべきで、Google AdSenseのようにクリックしてもらい数十円という広告を扱っていては、大きな金額を狙うのに莫大なアクセスが必要になってしまいます。(Google AdSenseの平均報酬が1クリック20円だとして、10万円稼ごうと思えば、ブログ内で5000回クリックしてもらう必要があります。1クリックしてもらうのに100PV必要ならば、合計50万PVという計算です。)
短期的に見れば特定の商品を売って成約させるよりも、Google AdSenseのように、クリック型の方が収益を上げるのは簡単に思えますが、長期的に考えれば多くのアクセスやそれだけのサイト規模にしなければならないので、莫大な時間が掛かってしまいます。
5.「収益化記事」と「集客記事」
ブログ記事を積み重ねていくなかで、「収益化記事」と「集客記事」というのは使い分けていかなければなりません。
収益化記事は、訪問者がすでに購入(検討)している段階の記事で、商品そのものを紹介する記事です。「高濃度ビタミン サプリメント」と検索している人に、高濃度のビタミンサプリメントが1~10位のランキング形式で紹介されていたら、その中で気に入ったものを購入してくれるでしょう。
高濃度のビタミンサプリメントがどのような成分で、自分にとってどのようなメリットがあるのか知っているためです。こういったすでに購入するのを決めている人への収益化記事で上位表示されているほど、売り上げというのは簡単に上がっていきます。ただし、収益化記事はそれだけ企業や法人が力を入れている部分なので、個人でブログを運営している場合は上位表示できる確率が減ってしまいます。
それに比べ集客記事は、ブログにアクセスしてもらう記事です。
「高濃度ビタミンサプリメント 美肌効果」と検索する人は、すぐに購入しようと思っておらず、それが自分にとってどのような効果があるのか調べている段階です。もしこの集客記事を読んで自分にサプリメントを飲むメリットがあると思ってもらい、先ほどの収益化記事に誘導してあげれば、購入される確率は上がります。このように集客記事から収益化記事へ誘導する流れが、個人ブログが勝つ方法と言っていいでしょう。
6.ブロガー×ライターという選択肢
目標とするゴールに向かって記事を執筆するうちに、ライティングの疑問が浮かんでくるはずです。「自分の書いている記事はSEO的にどうなのだろうか」「相手に伝わるように文章を書けているのだろうか」「成約率が低いけど、うまく誘導できているのだろうか」などです。普通にブログを書いていくのであれば、こういった疑問は基本的に自分で解決していくしかありません。
たまに読者からフィードバックをもらえるかもしれませんが、そういったのは稀です。
なので自分のライティングが読者にとって有益に書けているのか、第三者の視点で見るのが難しくなります。そこで文章で金持ちになる教科書では、ライターとして登録をして自分の文章を評価してもらうというのを推奨しています。とうぜん、ライターして文章を書いてお金をもらうことになるので、下手な文章は書けません。今まで自分の積み重ねてきたブログのライティングスキルが武器になります。
こうしてライターとして活動することで報酬が入るだけでなく、自分の納品した記事のフィードバックをもらえば、自分のライティングの評価が第三者の目で見てもらえます。つまり、報酬も入るしライティングのフィードバックももらえるし一石二鳥となります。
7.12カ月で脱会社員をする5ステップ
ここからは現在あなたが会社員だとして、「ブログを使って独立し会社員を辞める」という決意後、どのようにその手順を進めていくのかをまとめます。12カ月で脱会社員をするためには5つのステップがあります。
- WordPressの開設
- ブログで月1万円を目指す
- ブログとライターの組み合わせで月10万円を目指す
- SNSを活用して月20万円を目指す
- 自分の商品で月100万円を目指す
このような手順になります。
自分のブログを育てるだけでなくライターとして記事を執筆していくことで、収益は安定して稼ぎやすくなります。ブログが育てばそこから商品が売れて自動収入となりえますが、ライターは時給労働となり自分が働かなければ収入は増えません。12カ月という制約があるなかで、ブログだけで脱会社員を目指すのはやや心もとなくなってしまいます。そのためブログとライター業を併用します。
最終的には、SNSと自分で商品を作って販売することで一年で月100万円を稼ぎ、脱会社員をしていきます。
①WordPressの開設
最初にやるべきことは、ブログ(WordPress)の開設です。本気でブログで稼いでいこうと思ったら無料ブログではだめで、ドメインとサーバーを契約してWordPressを立ち上げる必要があります。WordPressはカスタマイズ性が高く、自分が意図しているサイトやデザインを反映しやすい特徴があります。また、多少時間がかかってしまいますが、SEOの面でも強く、無料ブログよりも上位表示される可能性が高くなります。
②ブログで月1万円を目指す
次のステップは、ブログで月1万円稼ぐサイトを作り始めることにあります。
WordPressを立ち上げてすぐに1万円の報酬を得られるような仕組み作りをしますが、これは一年かけて「月1万円」を稼ぐ段階です。焦ってすぐに結果を出そうと思ってもGoogleの評価が低い段階なので上位表示が期待できなく、検索エンジンが安定しません。それどころか、焦ってしまうがあまり広告だらけのブログになってしまい、「一年経っても1万円も稼げないサイトになってしまった。」ということまであります。(ただし多くの場合、一年かからずに1万円という金額には到達するはずです。)
ここでは収益を意識するよりも、ライティングのスキルを磨いているという認識の方がうまくいくでしょう。
個人ブログの場合は記事数50を目安にしてこれで月1万円というのを目安にします。これで稼げないようなら、売る商品の単価が低いか記事の書き方が悪いという可能性があります。記事を書けば収益が発生するという意識ではなく、ユーザーにとって有益な記事を書くことこそが、収益へと繋がっていきます。
③ブログとライターの組み合わせで月10万円を目指す
次はブログと並行しつつ、ライター業を行っていきます。
先ほどのステップで一年で月1万円を稼ぐとありましたが、実際にはそれより早い段階で到達するはずなので、月に1万円稼げたときにライター業を始めていきます。自分がブログで培ったスキルをライター業に活かします。ライター業は自分が記事を納品した分だけ収入がもらえるので、安定して稼ぐことができます。
ただどうしても時給労働になってしまうので大きな金額を稼ぐのは難しく、得られる収入に限界があるというデメリットがあります。
④SNSを活用して月20万円を目指す
ブログとライター業をやりつつ、次のステップではSNSを活用していきます。
SNSを使って集客しブログにアクセスを流し、月に20万円を目指していきます。検索エンジンで上位表示されていなくとも、SNSで商品を販売するページに誘導できればそこで成約することもできます。通常、検索エンジンでアクセスした人というのは、あなたのことを知らずに記事を読み始めます。それに比べSNSで集客した層は、既にあなたのことを知っている可能性が高いので、自分のブランディングになるしファンにすることも可能になります。
SNSで情報を発信する際は、あなたが関係するジャンルとターゲットを意識する必要があります。ブログでFXの情報を発信しているのに、SNSでは英会話の情報を発信したところで、FXブログの収益を上げることはできません。あくまで、誰に向けてSNSを運用しているのか明確にする必要があります。
⑤自分の商品で月100万円を目指す
最後の段階では、自分で商品を開発し販売する段階です。
なぜわざわざ自分の商品を販売するのかというと、ブログとライター業だけでは限界が来てしまうためです。(SNSを使ったとしても)ブログで記事を増やしていけば自動収入にはなりますが、月100という数字は現実的ではありません。ましてや、ライター業で月100というのも、時間の制限があるので難しいと言わざる負えません。
なので脱会社員をして大きな金額を稼いでいくには、ブログとライター業(SNS)を運営しつつ、まずは生活に必要な金額を稼いでしまう。それに加え、自分の商品を販売し、労働時間を減らしていくのが現実的なロードマップとなります。
8.文章で金持ちになる教科書を読んだ感想
文章で金持ちになる教科書は、ブログを通じて収益を上げるための実践的で設計図のようなガイドブックです。ブログで多くの人が失敗するであろうポイントを、最初にゴール(報酬)を設定することで、迷ったりせずに作成していくことができます。ブログで成果がでない人の特徴として、「なんとなくブログを作って、なんとなく商品をアフィリエイト(Google AdSense)をしてみる」というものがあります。
これでは具体的に売りたいものが決まっていない状態なので、どれくらいのアクセスを目指すべきか、記事数はどれほど必要なのかが明確になりません。どこを目指せばいいのか分からないので、途中で挫折する可能性もあります。
SNSを使った読者とのエンゲージメントの構築なども、情報発信の元となる部分がなければ一貫性は生まれません。
文章で金持ちになる教科書を読む人にとっては、「市場調査」と「キーワード選定」が一番難しいポイントかと思います。競合がどれほどいて、どのキーワードの順番で書いていけばいいのか、などです。多くの人はやればいいと分かっていても、面倒なのでやりたくない作業でしょう。時間はかかるかもしれませんが、予めキーワードを絞っておくことで、少ない記事数でも収益を上げることは十分に可能です。
ただし。文章で金持ちになる教科書はあくまでガイドブックであり、成功までの道のりは容易ではありません。継続的なブログの更新と実践が必要不可欠です。ブログを実践中の人が読むよりも、「これからブログを頑張っていく」というモチベーションの人が読むべきで、サイトを作るうえでの設計図として活用すべきでしょう。(既に作成中の人で収益とかけ離れていると感じたら、作り直してもいいかもしれません。)
9.まとめ
文章で金持ちになる教科書は、これからブログを使って収益を上げたい人(脱会社員)向けのガイドブックです。収益を上げることよりもまずは、書くことに慣れたい場合は「書く習慣」の要約&レビュー:文章を書くためのヒントと習慣化のコツの流れで、書くことを続けることから始めましょう。
そのうえで、
- ブログのゴール(収益)を決める
- 市場のリサーチ
- キーワード選定
- WordPressとライター業
- SNSと独自商品
という流れがベストでしょう。
あなたがもし、現在会社員をしていて少しでもその働き方に疑問があるのならば(会社員の良し悪しは別として)、正しい戦略に基づいてブログを作るのであれば、自分の好きを仕事にできるブログという媒体を作ってみるのも選択肢として考えるべきでしょう。
コメントを残す