Michael Masterson(マイケル・マスターソン)の著書「大富豪の起業術」のBook Reviewをしていきます。全くのゼロからビジネスを立ち上げようと思った時に、「何をどのような順番で行動していけばいいのか」「なるべく失敗をせずに事業を続けていくにはどのような方法がいいのか」「従業員はどのように雇って、どうやって事業を大きくしていくのか」など、自分がそれぞれのステージでその都度何をしていけばいいのかを、大富豪の起業術では4つのステージに分類して解説してあります。
大富豪の起業術は個人でビジネスを完結させたいというよりは、個人から始めてその後に法人を作って事業を大きくしていきたい方向けです。
著者のMichael MastersonのビジネスはDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)を使ったインターネットビジネスを主にしているので、情報販売やコンサルティング、アフィリエイトなどのビジネスを始めたい人だったり、今現在やっている方が注意すべき事項などまとめられています。大富豪の起業術のように従業員などを増やしたくなく、少数先鋭でやっていきたい場合は「週4時間だけ働く。」を参照して下さい。
Michael Mastersonは大富豪の起業術以外にも「臆病者のための科学的起業法w」という本を出版していますが、こちらは大富豪の起業術のステージ1を細かく解説した内容になっています。
1.大富豪の起業術の概要

- 大富豪の起業術
- 著者: Michael Masterson
- 出版社: ダイレクト出版
- 発売日: 2016年1月
- 価格: (本体3700円+税)
2.仕事の満足度を測る4つの「W」
人が仕事に求める価値や条件は人それぞれです。人によってはやりがいや中身を重視する人も居ますし、人によっては報酬で決める人も居るかもしれません。自分の仕事を好きになれるか、嫌いになってしまうのか、大富豪の起業術では仕事の満足度を測る4つの「W」要素を紹介しています。
- What:何をするか
- Where:どこでするか
- Who:誰とするか
- When:いつ
これら4つの「W」です。
一つ目のWhatで「仕事においてどんな事をするのか」という中身です。昨今「好きなことで生きていく」というフレーズがありますが、それを象徴するのが「仕事における何をするのか」という項目です。あたりまえですが、誰でも嫌いな事をするよりは自分の好きな事を仕事にした方が良いに決まっています。
二つ目はWhereで「仕事をどこでするのか」です。自分の好きな場所で仕事ができるとしたらその場所はいったいどこなのか。日本の東京で仕事がしたいのか、田舎のゆっくりとした場所で仕事がしたいのか。それとも、英語圏で仕事がしたのか、勢いのあるアジア圏で仕事がしたいのか、自分のお気に入りの場所で仕事をするのも仕事の満足度に繋がっていきます。
三つ目はWhoで「仕事を誰とするのか」です。仕事において誰とするのか、人間関係というのも非常に重要なポイントです。どれだけ仕事の中身が好きでお気に入りの場所で仕事をしていたとしても、人間関係で問題を抱えていたら満足度は低いものになってしまいます。
四つ目はWhenで「仕事をいつするのか」です。「朝の何時から働いて何時に終えるのが理想なのか」「休日はいつにするのか」というのも自分自身で決めなければなりません。一般的に言われているような月曜日~金曜日の9~17時まで働いて、土日を休日にするのか、「週4時間だけ働く。のBook Review」のように、週に4時間しか働かないと決めるのも自由です。
これら4つの要素どれかがを欠けても、仕事の満足度が低くなってしまいます。
3.起業家と企業内起業家
大富豪の起業術を読んでいるあなたは間違いなく起業家タイプですが、起業家と企業内起業家の違いも考えておかなければなりません。大富豪の起業術では事業を大きくしていく中でスーパースターという人材を探す必要があります。
スーパースターは簡単に言ってしまえば、会社に大きなリターンをもたらしてくれる存在です。
起業家が自分のビジネスの仕組みを作っていくとしたら、企業内起業家は、「誰かが作った企業内で起業家のように働く存在」です。一般的な従業員が任せられた仕事をきちんとこなすような人材だとして、企業内起業家は、企業で働いてはいるけれど起業家のように、自ら率先してアイディアを出したり新たな事業を考えたりする存在です。
4.大富豪の起業術の成長段階4つのステージ
大富豪の起業術はビジネスを始めてから、その事業を大きくしていくまでを4つのステップに分けており、
- ステージ1幼児期:年商0~1億円
- ステージ2少年期:年商1~10億円
- ステージ3青年期:年商10~50億円
- ステージ4成人期:年商50~、100、200億円
に分類されています。
ステージ1:幼児期
4つのステージ内で最初は「幼児期」(年商0~1億円)です。この頃にやるべき事で最も重要なのはマーケティング(集客)と販売です。事業を始めたばかりだったり、これからやろうとしている時は、最新のコンピュータやオフィスを揃えるのではなく、顧客を集めて販売するというプロセスです。どれだけ道具やツールを揃えたとしても顧客を集めて販売しない限り、キャッシュは生まれません。ここでの従業員の目安は7人程度で、マーケティングや販売に注力する段階です。
最初の段階はこれを徹底する必要があります。
自分の作った商品がどれだけ素晴らしく、優れた物だったとしても誰もその存在を認識していなければ、買われないし誰の手にも届きません。反対に多少商品が劣っていたとしても集客と販売さえできていれば、あとでいくらでも改良はできます。大富豪の起業術ではこういった上辺のテクニックなどではなく、ビジネスで最も重要な事をまとめている印象があります。
ステージ2:少年期
「幼児期」で事業が回り始めたら次は「少年期」(年商1~10億円)のステージです。少年期でやるべきは「新たな商品の開発」です。さらにフロントエンド(安価)とバックエンド(高価)な商品を用意して、顧客に喜んでもらえるようにします。幼児期のマーケティング同様、集客をして顧客が多かったとしてもフロントエンド販売後のバックエンドを用意しないと、大きな売り上げは見込めません。
従業員の目安は49人程度です。
ステージ3:青年期
「青年期」(年商10~50億円)までくると大きな組織になってきます。青年期はあなたをCEOのトップとして、会社従業員の役割を明確にし組織化していきます。従業員の規模も49人から343人程度です。
主な役職は、
- CEO
- CFO
- マーケティング・ディレクター
- 商品開発
- 顧客サービスマネージャー
さらに、(会計監査役、顧客サービスアシスタント、マーケティング・アシスタント、経理、セールス・アソシエイト、コピーライター)などピラミッド組織を作っていきます。
ステージ4:成人期
最後のステージは「成人期」(年商50~、100、200億円)です。このステージまで来ると起業家のあなたができる選択は3つで、
- 会社の売却
- 株式の公開
- 前線から引いて取締役会議長
という選択肢があります。このステージまで来るとあなたがやるべき仕事は本当に重要なタスクのみで、あとは従業員のスーパースターに任せる事ができます。会社を売却して大きなキャッシュを手にしても良いですし、さらに事業を大きくするための株式公開の選択もあります。キャッシュも十分にあるので、自分の会社の主要投資家になるというのがベストな選択になりそうです。
5.大富豪の起業術を読んだ感想
これから事業を始めるにせよ、既に事業をやっているにせよ、大富豪の起業術をこれからビジネスを始める人が読むべきか?と聞かれれば、ほとんどの方には必要が無いかもしれません。というのも、それぞれ4つのステージに分類してあるので分かり易いですが、あくまで最初から事業を大きくしたい方向けでしょう。少数先鋭や個人でビジネスをやっていこうと考えている方は、上述した「週4時間だけ働く。のBook Review」の方が合います。
大富豪の起業術で一番大変でつらい時期は間違いなく「ステージ1幼児期:年商0~1億円」です。本書でもそステージでほとんどの起業家が消え去ってしまうとなっており、1年以内に60%が倒産するというのが通説です。
これは私も同じように感じます。
事業を大きくするとか以前に、続けていくというのが最初に大きな壁があります。そのほとんどが失敗する理由として、ステージ1の段階でよけいな設備投資をしてしまったり、見栄えにお金を使ってしまい、重要なマーケティング(集客)と販売を疎かにしてしまうためです。また商品を作るのに時間を掛けすぎてしまったり、完璧を求め過ぎてもキャッシュは発生しないので、うまくいきません。これは大富豪の起業術でもあるように、先にある程度のクオリティの商品を作ってしまい、顧客の声を聞きながらブラッシュアップさせていくのが賢明でしょう。
ステージ1を通り過ぎてステージ2まで到達すれば、あとは従業員を増やしたり、お金を事業に投資をすれば拡大するのはさほど難しい事ではなくなります。何事もそうですが、最初の段階でミスってしまうと、事業を大きくするとかいう以前に、徹底を余儀なくされる可能性が高まるので注意が必要です。著者の推奨するビジネスモデルDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)なら、費用を掛けずに始められるので相性は良いでしょう。
大富豪の起業術はあくまで「年商ベース」でステージが決まりますが、本当に重要なのは「利益」です。どれだけ年商が大きくても、利益が少ない企業はいくらでもあります。それを勘違いしてしまい、従業員をやたらと増やしてしまったら、支出のリスクだけが大きくなっていくので、ステージ理論と利益を双方向に見ていく必要があります。
6.まとめ
大富豪の起業術は495ページというボリュームで、起業をしてビジネスを作る最初の段階から、企業大きくしてを売却するというプロセスまで網羅している書籍です。企業を大きくするのはやりがいがありますが、「仕事の満足度を測る4つのW」で解説したように、
- What:何をするか
- Where:どこでするか
- Who:誰とするか
- When:いつ
これらも重要です。
結局の所、自分がどんなビジネスを作りたいかが重要で、24時間自由のようなライフスタイルをしつつ好きな仕事をしたい人も居れば、ひたすらに企業を大きくするために働きたい方も居るはずです。少数先鋭且つ、両者を併せる(ステージ3青年期の役職をアウトソーシング)するというような、仕組み作りも人によっては確立できるはずです。

「臆病者のための科学的起業法」の要約: リスク回避から始める起業術
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