Michael Masterson(マイケル・マスターソン)の著書「大富豪の仕事術」の要約とBook Reviewをしていきます。大富豪の仕事術は、一般的なビジネス書やノウハウ、自己啓発を凝縮とした内容になっています。目標を達成するための仕事術や考え方、そして成功している人たちの持つ共通点について詳しく解説しています。
一般的に目標を達成するには行動といわれますが、本書は「行動よりも計画に時間を費やすべき」となっており、事前の準備の大切さを説いています。
経済的に成功するためにどのような戦略を取り、どのようなチャレンジを乗り越えたのか、またどのようにビジネスを展開しているのかを紹介し、真似しやすいようになっているのが特徴です。大富豪の仕事術は、ビジネスにおいて成功したいと願うすべての人々にとって、必読の書となるかもしれません。
マイケルマスターソンの著書は「大富豪の起業術 要約&レビュー:成功に導く起業家の条件」もありますが、こちらはゼロの状態から少しづつ事業を大きくしていく内容になっているのに対し、大富豪の仕事術は個人がどのような毎日を過ごし、どのように目標を達成していくのか、より具体的で現実的な内容になっています。
どっちを読むべきか?と聞かれれば間違いなく本書をおすすめするほど、濃い内容になっているし、これから事業を始める人にとっての道標のような存在でもあります。
Contents
1.大富豪の仕事術の概要
大富豪の仕事術
Michael Masterson【著】
起業家
ダイレクト出版
2012年4月発売
A5判・317頁
定価4,070円(本体3700円)
2.マイケルマスターソンとは
この本の著者マイケルマスターソンは、年商100億円以上の会社を2社、50億円以上の会社を2社、10億円以上の会社を10社以上保有し、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの世界でもトップクラスの実績の起業家です。
彼の事業構築手腕は、多くの起業家やマーケッターから高い評価を受けており、マーケティング業界では知っている人も多い、ジェイ・エイブラハムが序文を寄稿するほどの実績を持ちます。コンサルタントとしての経験も豊富で、情報出版、投資、健康・栄養、レストラン、家具、美術品、宝飾品、香水・化粧品、不動産、フィットネスなど、多岐にわたるプロジェクトを成功に導いています。
また、メールマガジン「Early to Rise」も45万人の購読者がいる媒体を持っています。
3.あなたが人生で失敗する最大の理由
同じような夢や目標を持っていたとしても、それを叶えられる人と叶えられない人が居ます。その両者の違いの決定的な違いは「効果的な行動を起こさない」ことが原因です。何かを始める際に環境や人脈、金銭的な問題など多くの障害がある場合がありますが、それは乗り越えられないものではありません。
なぜなら金銭的な問題があったとしても、成功した人は多くいるためです。
それよりも最も問題なのは、決断力のなさ(成功と失敗)が足りないことです。行動を起こし、目指す場所を把握しそれに向かって進んでいくのならば、こうした障害は安易に克服できます。つまり、行動しないことこそが最大の問題になってきます。
物事を成功させる人たちは、ありとあらゆることが「100%」正しいと感じたり、成功することが「絶対に確実」になるまで待ったりせずに、どのくらいの確立で成功をするのか冷静に判断しています。そして、その確率がある程度あるのであれば、大胆かつ精力的に行動を起こします。
これが物事を成功させる人たちの性質です。
成功する人たちは絶対的な自信や確信など必要ありません。なぜなら、人生において確信や絶対的な自信など持てないと分かっているためです。一番大きなコストは行動しないうことで、それに比べれば失敗のリスクは大きくありません。何より行動しないことが、一番のコストになるためです。
行動しないということは、次はないということです。
もし結果を出したければ自分が立てた目標までの最速の道筋を考え行動を起こし、それに対する問題があったとしても打ち負けないようにすることが大事になってきます。
4.成功するためのマスタープランを立てる
夢を夢のままで終わらせないためには、どこを目指すべきか、具体的な行動を明確化するためのマスタープランのゴールが必要になります。
ゴールを作る4つの条件は、
- 具体的
- 実行可能
- 時間の意識
- 現実的
漠然とお金持ちになりたいというのではなく、具体的な数字を決める
宝くじはを買って当てるのは夢。マラソンで勝つのはゴール
数年後にいくらを稼ぐのかを決める
空想ではなく、現実的にいくら稼げるのか考える
ゴールというのは目標とも違い、長期的に物事を考える視野と対象範囲を広げる必要があります。マスタープランを立てる時は、1年後のゴールと7年後のゴール、毎週の目標と毎月の目標を細かく分けていき、最終的に中期的な目標と長期的なゴールを達成するための毎日の課題を決めます。夢というのは曖昧で漠然としていましたが、ゴールは夢への懸け橋のようなもので、それを繋ぐことができます。
夢を持っていたとしても、その間のゴールや目標がないと毎日何をすればいいのか、具体的にどういった行動をすればいいのか分からないので妄想になってしまいます。ゴールに到達するために、毎年、毎月、毎週、毎日、何をしていけばいいのか決める必要があります。
5.毎日課題(計画)リストを立てる
ゴールを決めても、それは進むべき目的地を決めたに過ぎません。
最も重要なのは毎日何をするのか、どんな行動をすればゴールに近づくのか計画を立てることです。その日に何をするのか課題リストを決めないと他人の仕事や無駄な時間を使ってしまいゴールには辿り着きません。だからこそ自分で課題リストを作ってそれに従って行動していきます。もちろん、ゴールがないよりはゴールがあった方が何倍も多くのことを成し遂げられますが、毎日の課題リストを作ることでさらに早く、多くの物事をやることができます。
毎日の課題リストは前日の終わりに作ります。
まずはその日の課題リストを見直して、きちんと終わらせることができたか?計画通りに進んだのか確認をします。もし今日の課題リストが終わっていない場合は次の日はその課題から終わらせることになります。それを確認したら、週の目標を見て加える課題はないか確認をします。多くの課題をこなすほど、長期的なゴールも早く達成できる確率が高まります。
その日の課題が済んだら順にリストを消していきます。
ゴールを忘れないためにも出発点であるゴールは先に決めておく必要があります。ゴールを決めないとどこに向かったらいいのか、毎日漠然と過ごしてしまうので注意が必要です。出発点を決め、毎年のゴールと毎月の目標を決め毎週の目標と、毎日の課題を作るようにしましょう。人生を変えるためにも、物事に優先順位を付けて行動していく必要があります。
6.成功を追跡する「日記」の役目
あなたが成功する確率を強く引き寄せたいのであれば、そのための手段として、日記はゴールを決めるための素晴らしい道具になっています。もしかしたらあなたも日記を書く習慣を持っているかもしれません。それをゴールを達成するための道具として活用すると、自分がどの道を進むべきか分かってきます。
ゴールまでの記録や修正、ゴール達成までの決意表明などを書いていれば、あとでいくらでも読み返すことができるのでモチベーションの維持にも繋がります。それだけでなく、問題解決するアイディアや成果を目に見えるように留めておけば、自分がどれだけやったか分かったので自分の自信になります。
日記を効果的に活用する方法として3つあります。
- ゴールを目指す記録
- 創造性を持ち、新鮮な気持ちで書く
- 学んだこと、読書記録の備忘録
長期的なゴールと中期的な目標、毎日の課題リストとして使います。一日の終わりに目標を確認することで、どの課題がどれだけ進んだのか、どれだけの時間がかかっているのか分かるので、次回やるときの参考としても活用できます。
新しいアイディアや考え事などメモをして、頭をすっきりさせます。
読んだ本で興味が湧いたことや、活かしたいことをまとめます。今は使わなかったとしても将来役に立つかもしれないし、新しいアイディアを思い付くこともあります。
7.金、蒸気、酸、という3つの選択肢
人の時間は平等に24時間ですが、仕事をしていない時間の休養(休んでいる)にこそ、その人が成功に近づいているのか、遠のいているのか分かれ道になります。休養には3つの時間の使い方があり楽しいけど害になる(飲酒や喫煙)、何も考えずにできる気晴らし(大衆向けのテレビ)、身体を使うが楽しく自分自身を改善する(筋トレやヨガ)があります。
休養だけでなく、仕事やスポーツにおいても私たちには3つの選択肢があります。
- 自分を改善するもの
- 自分をほとんど変えないもの
- とにかく自分を駄目にすること
どんな活動をしている時もこれらの選択肢があります。普段読んでいる本や付き合っている友人、就いている仕事など生活している中で、悪いと思っていながらも続けているような習慣はないでしょうか?誰しも毎日の生活の中で選択をしています。朝起きて何を食べるのか?どんな新聞を読むのか?一日何時間テレビを見ているのか?どんな会話をして過ごしているのか?など一見無意味なものに思えますが、それらを繋げていくとその人の人生の質へと繋がっていきます。
私たちは質の高い行動と中立的な行動、そして悪いと思っていながらもこれらを混ぜ合わせた生活を送ってしまっています。極力自分の害になることはしないと思っていてもなんらかの形で自分自身を傷つけてしまっています。
そして最善の選択は、「最も厳しい」選択でもあります。
なぜなら最善の選択というのは最もエネルギーが必要になり、反対に最悪の選択は簡単に断ることができるものが多くなります。なぜかというと、最悪の選択は恐怖を感じるためです。ただし、最悪の選択をして一度楽しいと感じてしまえば、最悪の結果というのは私たちを物凄い勢いで引き付けるエネルギーになるので注意が必要になります。中立の選択は、可もなく不可もない行動で誰もがしたいと思うようなことです。
【金】極上の選択
私たちにとって【金】と呼べる最高の経験は、知性を試したり感性に訴えかけるものです。【金】は多くのエネルギーを必要とし、自分の活力が足りないと感じた時は尻込みをしてしまいます。ですが一度その経験をしてしまうとエネルギーが湧いてきて、たやすく長く続けられるようになります。この活動を経験している時は、とても良い気持ちで自分の時間の使い方に納得ができます。
【蒸気】可もなく不可もない選択
【蒸気】は入り込むのが簡単で、続けるのはもっと簡単な活動です。可もなく不可もなくの選択は、自分で選ぶ気にならない場合に行うのが多くなんとなくでやってしまいます。どれだけ時間を使ってしまったとしても、あまり気にならない時にする活動です。仕事をしていて集中力が落ちてきた時などに、なんとなくやってしまうネットサーフィンやSNSも【蒸気】の活動になります。
可もなく不可もなくの活動の大きな問題は、私たちのエネルギーが湧いてくるのではなく活力が無くなり、無気力になってしまうところです。なんとなく空虚な気持ちになってしまうのが特徴です。
【酸】害になる選択
3つのうち一番注意したいのが【酸】の選択です。
人は誰しも欠点や弱みがありますが、【酸】の活動という選択を行ってしまった場合にはほとんど同じような結果になります。ほとんど何も感じないような苦痛を感じながらダラダラと快楽にふけるような選択です。頭がぼんやりとしていて、とても楽しい思いをしている気がしますが、頭がクリアにならずにぼんやりとしています。
害になる選択の難しいポイントは、ついつい興味を惹かれてしまうところです。自分の気持ちが落ち込んでいる時や、気分が塞ぎ込んでいる時に害の選択をします。ちょっとだけ残った意識の中で、自分が破滅の道を歩んでいることを正当化しようとします。
自分の選択リストを見直す
金と蒸気と酸それぞれの特徴が分かったら、自分が普段どの選択をしているのか、どのように時間を使っているのか見直して確かめてみます。24時間のうち蒸気や酸の選択ばかりをしていたら、危険で今後もそのような選択が続く恐れがあります。日記にメモを残しておけば時間の使い方が分かるし、現実を見て驚くかもしれません。
8.ゴールは行動からモチベーションを作る
何かしら成功したいと思うのならば、人生の選択を変える必要があります。現在、うまく人生を変えられた人は全ての条件が整ったり、うまくいったりするのを待ちません。所謂、モチベーションを待たずに自らの行動によって、モチベーションを作り出します。
- 私生活が充実するのを待たない
- 仕事が成功するのを待たない
- プロジェクトの完了を待たない
- 問題解決を待たない
ゴールを持って、そのゴール達成を最優先にして毎日それに基づいて行動する方法を見つけないと、成功する可能性は少なくなります。やる気になったり、成功するまでのモチベーションを待っているようなことをすると、時間だけが過ぎていき、結局今の現状を維持するような環境を望んでしまいます。
9.儲けるための読書術
優れた本の読書というのは、成功する習慣の一つと言って良いでしょう。ただし上述したように、【金】と呼べるような読んだだけで、知性を得られるよな本を選ぶことが条件です。ただ漠然と読書をするだけでなく、「何を読むのか決める」というのは重要な課題です。
私たちの脳は基本的にコンピュータと似たような仕組みになっており、優れた情報をインプットすれば優れた情報をアウトプットできるし、役に立たないような本ばかりを選んでいたのでは、アウトプットの質も落ちてしまう。成功するために読書をするのであれば、目的を持って読むことが重要です。残念ながら世の中の多くは読む価値がなく、大衆向けに作られた物が多いのも事実です。
だからこそ、これから読む本を【金】【蒸気】【酸】とリスト分けをして【金】と思う本だけを読むようにします。
10.億万長者の思考法
普通の人と億万長者との違いに、マインド(思考)の違いが挙げられます。この思考というのは厄介で同じ情報、同じノウハウを持っていたとしても成功する人といつまで経っても上手くいかない人の差は思考の違いにあります。
普通の人の思考は、
- 自己を守る
- 消費者心理を持つ
- 願望中心
- 失敗の理由を考える
- 変化に抵抗する
- 現状を受け入れる
反対に億万長者は、
- 計画に時間をかけすぎない
- お金をかけすぎない
- 迅速な行動
- すぐに現金を獲得
- 自分が専門家になる
今現在普通の思考だとしても、意識して思考を変えていけば2~3か月という短い期間で、少しづつ変化していくことで思考法を完璧に永久に変えることができます。普通の人は変化しようとすると抵抗し、なるべく変化をしないように現状を望むような気持を持ちます。億万長者は変化を歓迎し、自分が変わることを簡単に受け入れます。
変化の抵抗感は論理の違いです。
人が変化をする時は混乱が起こり、余計な仕事やストレスが増えます。そしてストレスは不快で不健全なので、人が変化を嫌うというのは至極真っ当な反応ともいえます。
ただし変化しないというのは、現状維持が根底にあるのでただ時間が過ぎていくことになってしまいます。「コンフォートゾーンの作り方の要約&レビュー:自己変革の目標達成法」にあるように、自分が変わりたいと思ったりゴールを持った時は、セルフトークやセルフイメージ、そしてコンフォートゾーンを変えなければなりません。
11.大富豪の仕事術を読んだ感想
大富豪の仕事術はマイケルマスターソンの著書の中で最も再現性が高く、実用的な内容になっています。多くのビジネス書や自己啓発書を読むよりも本書を一度読んだ方が得られるものが多いです。それだけ内容が濃く、プロフェッショナル向けになっています。人によってはあたり前と思ったり、どこにでも書いてあると思うかもしれませんが、知っているのと行動できるのは別問題です。
知っていても、行動に移さなければ結果はでません。
冒頭にあったように人が成功できない最大の理由は「効果的な行動を起こさない」ことなので、行動に移すことができれば成功に近づいているといえます。また、大富豪の仕事術は長い時間働くことを推奨せず、一日4時間ほどを仕事に集中し他に趣味や家族と時間を過ごすことに重点を置いています。「週4時間だけ働く。の要約&レビュー:労働を減らす自由な人生の生き方」のように、週4時間だけ働くのは仕事上の問題が大きくなるため、非推奨になっています。(そのため一日最低4時間働く。)
自分が一日の中で【金】【蒸気】【酸】の何をしているのかチェックをするだけでも、成功に近づいているのか、いつまで経っても変わらない現状維持を望んでいるのか判別できます。現状維持を回避したい場合は、「ヒトはなぜ先延ばしをするのかの要約とレビュー:本当の理由と改善策」も併せて読んでください。
12.まとめ
ビジネス書や自己啓発の中でも大富豪の仕事術は【金】の分類に入るので、ダイレクト出版の中でも手に取りやすい分類です。恐らくこれを読んでいるあなたは何かしらの夢や目標を持っていると思いますが、それを夢のままで終わらせずに現実とするステップは、
- ゴールを決める
- 具体的な目標に落とし込む
- 毎日の課題リストを考える
- 成功日記を付ける
- 一日の行動を【金】【蒸気】【酸】
に分けるという流れになります。
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